議会報告


平成28年第1回定例会代表質問
平成28年2月19日
  1. 本県の防災・災害対策について
  2. 消防団の加入促進について
  3. 地産地消の推進について
  4. 特別支援学校の整備について
  5. 要望

本県の防災・災害対策について

1. 超過課税を活用した災害対策について

質問要旨

法人二税の超過課税は、今後「災害に強い県土づくりの推進」の財源として活用されるが、近年の大規模化・多様化する自然災害対策に超過課税を充て、着実かつ迅速に対応することの意義は大きい。
 昨年の関東・東北豪雨では、様々な応急活動が行われたが、市と県・関係機関の間の情報受伝達に問題があったと指摘されている。
 大規模な災害が発生した場合には、個々の市町村だけで対応することは難しいため、広域自治体である県の役割、とりわけ災害対策本部の機能強化が重要である。
 そこで、法人二税の超過課税を活用した「災害に強い県土づくりの推進」に当たり、取り組むべき項目は多岐にわたる中で、災害発生時に、市町村や警察、消防、自衛隊など関係機関が一堂に会し情報の共有や連絡調整などを行う活動拠点の整備は、極めて重要であると考えるが、所見を伺いたい。

知事答弁

はじめに、本県の防災・災害対策についてお尋ねがありました。
 まず、超過課税を活用した災害対策についてです。
 本県で大規模な災害が発生した場合には、多数の応援機関が県庁に参集し、連日、情報の共有を図るとともに、活動方針や役割分担などの調整を行います。
 的確な災害対応を図るためには、多くの人員が長期にわたり活動するスペースと、災害対策の基本である情報通信システムが重要です。
 そこで、平成28年度当初予算案には、超過課税を活用し、災害時の活動拠点の整備費を計上しました。
 具体的には、応援機関の調整要員が常駐するための活動拠点を、第2分庁舎に整備するとともに、情報を共有するための大型のマルチモニタや、テレビ会議システムを整備します。
 さらに、災害現場のリアルな情報を確認するため、ヘリコプターテレビなど、映像伝送システムの機能を強化します。
 また、総合防災センターや各地域県政総合センターについても、活動拠点との連絡調整を図るため、情報通信機能を充実します。
 こうした整備を進めることにより、活動拠点の充実を図り、万が一、本県が被災した場合に備え、災害対策に万全を期してまいります。

2. 道路斜面の防災対策について

質問要旨

現在「かながわのみちづくり計画」の見直し作業が進んでおり、この計画に基づいて、道路の防災対策に取り組んでいくことと承知している。
 山間部の県が管理する道路では、自然の斜面が道路近くまで迫っている箇所も見られ、落石や土砂崩落などが発生する恐れがあるが、防災工事が必要な箇所は数多くあり、地元調整等様々な制約もあるため、十分に工事が実施されていない。
 道路の安全確保のためには、防災工事だけでなく、実際に台風などの異常気象が発生した際の緊急時の現場対応への備えも含めた防災対策に取り組む必要があると考える。
 そこで、台風による豪雨などの異常気象が頻発することを踏まえ、県が管理する道路における斜面の防災対策を、今後、どのように進めていくのか、現在の取組状況も併せ、所見を伺いたい。

知事答弁

道路斜面の防災対策についてお尋ねがありました。
 道路は、県民生活や地域経済活動を支える大切な社会基盤であり、道路利用者の安全な通行を確保するための道路斜面の防災対策は、非常に重要であると認識しています。
 このため、県では、土砂の崩落や落石などを抑えるハード対策を実施していますが、対策を必要とする斜面が多くあることから、総点検を行い、斜面ごとに、ひび割れなど、詳細な状況を記録した防災カルテを作成しています。
 この防災カルテに基づき、毎年、状況の変化を的確に把握した上で、危険度が高い箇所や緊急輸送道路を優先して対策を実施するなど、厳しい財政状況にあっても効果的に対策を実施しています。
 また、ソフト対策として、常に雨量の監視や道路情報を収集する体制を整えており、箱根の国道1号などでは、災害による被害を未然に防止するため、雨量が通行を規制する基準に達した場合には、通行止めを実施しています。
 併せて、こうした道路の情報が道路利用者へ確実に伝わるよう、県では、平成23年度から平成26年度にかけて、道路情報板を45基増設したところです。また、国や日本道路交通情報センターと連携して、テレビ、ラジオなどを通じた情報提供にも取り組んでいます。
 さらに、地元の建設会社とは、災害時における通行規制や復旧工事に即座に対応できるよう協定を結んでおり、毎年、災害を想定した訓練を実施するなど、一層の連携強化を図っていきます。
 県は、引き続き、ハード・ソフト両面からの対策を進めるとともに、今回改定する「みちづくり計画」の維持管理部門の柱に「災害対応力の強化」を明確に位置づけ、県民の安全な通行を、しっかりと確保してまいります。

消防団の加入促進について

質問要旨

消防団は地域防災の要であるが、消防団員数は減少傾向にある。
 人口の流動化やサラリーマン世帯の増加などから、地域とのつながりが希薄化し、消防団へ加入することに理解が得られにくくなっており、さらに、少子高齢化により担い手が少なくなるなど、消防団の置かれた深刻な状況は、市町村防災上大きな課題である。
 消防団員は市町村の非常勤職員であるが、現在の状況を踏まえると、市町村だけで取組を進めることには、限界がある。
 県がこれまでも市町村の消防団事業に対し、支援を行ってきたことは承知しているが、さらなる取組が求められる。
 そこで、県は、広域自治体として市町村と一層連携を深め、消防団の加入促進に向けた取組を強化していくべきと考えるが、今後どのように取組を進めていくのか、所見を伺いたい。

知事答弁

消防団の加入促進について、お尋ねがありました。
 消防団は、地域の実情を熟知していることから、共助の中核として、大きな役割を期待される非常に重要な存在です。
 そこで、県は、消防団への加入促進のため、市町村と連携して、若者対象のキャンペーンや、高校への出前講座、ガイドブックの作成などに、積極的に取り組んできました。
 こうした取組みもあり、県内の消防団員数は、近年では 100人以上増加した年もありましたが、継続的な増加につなげるには、一層の取組みが必要です。
 そこで、県は、平成26年度から、県民の消防団への理解促進のため、「かながわ消防フェア」を開催しています。
 昨年10月の消防フェアでは、訪れた1万人以上の方が、消防団員との交流や、放水、AED講習などを体験しました。
 また、当日開催したシンポジウムで、消防団への加入促進について議論を行ったところ、女性消防団員の活動の活性化に、県も積極的に取り組んで欲しい、というご提案がありました。
 そこで、県は、全国的にも珍しい取組みとして、今月6日に、女性消防団員によるワークショップを開催し、女性団員の今後の役割や加入促進について、事例紹介や意見交換を行い、消防団における今後の活動に生かすことにしました。
 また、来年度創設する「市町村地域防災力強化事業費補助金」により、市町村が行う消防団の詰所や資機材などの整備を支援することで、消防団に加入しやすい環境づくりを進めます。
県は、今後とも、消防団への関心を高める取組みを進めるとともに、市町村と連携して、消防団の活動を支援することで、加入促進を図ってまいります。

地産地消の推進について

質問要旨

地産地消の推進は、本県農業の振興に有用である。一方、5年前に比べて農業従事者が減少している状況である。
 この原因の一つは、農家が農産物を生産しても儲からないために、農業に魅力を感じなくなってしまうことであり、地産地消の推進に当たっては、自分の生産した農産物が、正当に評価された価格で安定的に販売できるようにすることが必要と感じている。
 「道の駅」などでの直売は、小規模の農家が収入をあげるなど良い取組であるが、小規模な農家以外の農家の農産物の地産地消を推進するためには、必ずしも十分に機能していない。
 したがって、地産地消を推進するに当たっては、生産環境や経営規模など営農の条件に応じた対応を図ることが大切だと思う。
 そこで、県として、営農の条件に応じた地産地消にどのように取り組んでいくのか所見を伺いたい。

知事答弁

地産地消の推進についてお尋ねがありました。
 地産地消の推進は、生産地と消費地が近いという本県の強みを生かせることから、農業の振興にとって大変効果的です。
 その推進に当たっては、県内農業者の生産環境や経営規模が様々であることから、農業者の営農条件に応じ、大きく3つに分けて取り組んでいます。
 まず、農地がまとまり経営規模も大きいなど営農条件がよい農業者についてです。こうした農業者は、卸売市場を経由して量販店などに農作物を供給していますが、県内への供給を増やすためには、県民に県内産の農産物を意識して選んでもらうことが必要です。
 そのため、県では、県内産の優良な農産物が登録されている「かながわブランド」をPRし、取扱店を増やす取組を続けていきます。
 次に、小さい農地が点在していたり、経営規模が小さいなど、営農条件が不利な農業者についてです。こうした農業者は、自分で値段の付けられる直売所への出荷が適しています。
 そこで、県では、地元の方を中心とした県民に農産物を提供している直売所の販売を促進するため、農業者に対し、消費者ニーズに応じた農産物の種類を増やす技術指導を行うとともに、集客の目玉となる特産品づくりを支援していきます。
 さらに、直売所への出荷に適した農業者より規模が大きいものの、卸売市場に出荷するには生産量が少ない、中規模な農業者についてです。
 県では、今年度から、消費者ニーズに応えて生産を誘導する「マーケット・イン」の発想に基づき、県内の量販店などの要望に応じて生産を工夫できる、中規模な農業者の組織の育成を行っています。
 現在、県が開発したトマトの新品種「湘南ポモロン」を長期にわたって販売したいという量販店のニーズに応えるため、複数の農業者が栽培の時期をずらし、これまでの2倍近い期間にわたって湘南ポモロンを供給する取組を始めたところです。
 今後は、このような「マーケット・イン」の仕組みが広がるよう取り組んでいきます。
 地産地消は、本県農業の振興はもとより、県内産の新鮮な農作物を食べることで、「未病を治す」取組にもつながることから、今後も、積極的に推進してまいります。
 私からの答弁は以上です。

特別支援学校の整備について

質問要旨

特別支援学校については、近年、入学を希望する児童・生徒が増加しており、過大規模化が課題となっている。このような状況に対処するため、県教育委員会では、「まなびや計画」において、新校5校プラス1分校の整備を位置付けている。
 また、1分校については、遠距離通学による負担の軽減等のため分校の設置が計画されているが、一方、特別支援学校が整備されていない地域では、障害のある児童・生徒が、遠方の学校まで通学することを余儀なくされ、こうした地域の保護者からは、教育環境について、都市部との地域的な格差を指摘する声も挙がっている。
 そこで、こうした地域的な課題を解決していくため、現行の「まなびや計画」に位置づけられている1分校の整備の進捗状況を含め、今後どのように対応していくのか、所見を伺いたい。

桐谷教育長 答弁

教育関係について、お答えします。特別支援学校の整備について、お尋ねがありました。
 県教育委員会では、特別支援学校で学ぶ子どもたちのために、学校の過大規模化や地域的な課題にしっかりと対応していくことが必要と考えています。
 このため、この4月に開校するえびな支援学校に続き、現行のまなびや計画に位置づけた横浜北部方面特別支援学校について、平成32年4月を目途に、開校するための準備を進めています。
 こうした新校の整備と併せて、地域的な条件から遠距離通学などの負担がある児童・生徒についても、地元市町の協力をいただきながら、教育環境の向上を図っていきます。具体的には、この4月に、秦野市内から平塚養護学校に通学する児童・生徒の負担を軽減するため、秦野市立末広小学校の空き校舎を活用して、秦野養護学校小・中学部を開校することとしています。
 お尋ねの湯河原・真鶴方面についても、この地域の児童・生徒の小田原養護学校への通学負担を軽減するため、現在、旧湯河原中学校跡地に、30人程度の分教室を整備する方向で、湯河原町などと調整を進めているところです。
 また、地域の子どもたちの状況や地元市町の意向を踏まえつつ、既存の特別支援学校の校舎の増改築等も検討してまいります。併せて、県立高校改革において推進するインクルーシブな学校づくりを展開することで、地域における進路選択の幅を拡大するなど、子どもたちの個性やニーズに的確に応えられる多様な学びの場を整備していきます。
 こうした取組を進めることで、障害のある児童・生徒が、それぞれの地域で学べるよう、教育環境の整備に努めてまいります。
 答弁は、以上でございます。

要望

質問要旨

知事、教育長からわかりやすい、明快なご答弁をいただきまして、ありがとうございました。
 自席から失礼いたしますが、要望を申し述べさせていただきます。

まず、「超過課税を活用した災害対策について」、要望いたします。
 東日本大震災から5年が経過しようとしていますが、被災地の復興は、まだ道半ばです。
 東北の方々は、今も復興事業に取り組まれています。

近年、神奈川県は、大きな災害に見舞われたことはありませんが、これは、本当に幸いなことです。 災害は、明日起きるかもしれません。

県は、昨年、大正型の関東地震が起これば、死者は3万人を超えるとの地震の被害想定を公表しています。災害対策は、トンネルや橋の補修、県立高校の耐震改修などあらゆる分野で進めなければなりません。県民のいのちや財産を守ることは、県の大きな使命です。

県民の安全・安心のため、今後5年間、超過課税も活用し、災害対策のスピードを上げ、取り組んでいくよう要望いたします。

次に、「道路斜面の防災対策について」、ですが、県民の生活に多大な影響を及ぼす豪雨等による被害を少なくするためには、道路斜面の工事を早急に進めることが望ましいと思いますが、財政的な制約があるほか、工事の完成までに多くの時間を要します。

そのため、ソフト面での対策として、道路利用者に道路の情報提供を行い、危険回避を促す取組みも合わせて行い、道路の安全確保にしっかりと努めていただくことを要望します。

次に、「消防団の加入促進について」ですが、災害発生時の対応は、消防署などの常備消防だけでは限界があり、日ごろから地域で活動する消防団は、共助の要として、なくてはならない存在です。
 消防団のことを最も熟知しているのは、市町村であります。首都直下地震や南海トラフ地震の切迫性が指摘されている中、県は、市町村との連携をより一層強化し、今後とも消防団の加入促進に積極的に取り組んでいただくことを要望します。

最後に、特別支援学校の整備について、教育長のご答弁から、特別支援学校の過大規模化が進む中、まなびや計画に基づく新校の整備が着実に進んでいることが分かり安心しました。

湯河原・真鶴方面の分教室については、県西部の地域的な課題を解決するためにも、関係する町と密接に連絡調整を行うなど、取組を進めていただくことを要望いたします。

また、現在、県教育委員会で取り組んでいる県立高校改革では、県立高校の再編・統合によって、来年度から平成39年度までの12年間で20~30校程度の県立高校が減となると承知しています。

先ほど、都市部との地域的な格差を指摘する声もあがっていると申し上げましたが、障害のある子どもたちの教育環境の地域的な格差を解消するために、再編・統合で生じた県立高校の跡地や空き校舎を有効活用することも考えられるのではないかと思います。
 県機関の再編整備で生じた跡地等の処分には全庁的な考え方があることは勿論承知していますが、県立高校の跡地等については、むやみに処分するのではなく、教育環境の地域的な格差解消を求める保護者の声を十分配慮しながら、県全体でしっかりと有効な利活用の方法について議論・検討をしていただくよう、併せて要望します。

以上で私の質問を終わります。ご清聴、ありがとうございました。