議会報告


平成29年第1回定例会代表質問
平成29年2月16日
  1. ダムの水運用の仕組みとそのアピールについて
  2. 新たな観光の核づくりについて
  3. 足柄茶の消費拡大と緑茶を飲む文化の継承について
  4. 大規模災害時の避難所のトイレ対策について
  5. 県立相原高校の移転について
  6. 要望

ダムの水運用の仕組みとそのアピールについて

質問要旨

相模、城山、三保及び宮ヶ瀬の4つのダムは、県内の水道水の9割を供給し、県民生活や社会経済活動を支える水がめとなっている。
昨年、少雨のため関東1都5県で取水制限となる一方、本県では取水制限などの措置をとることなく乗り切れた。これは、高度なダム間の水運用によるところが大きいが、こうした優れた取組が県民や企業にあまり知られていない。多くの県民が、水の安定供給を受け、安心して暮らしていける「渇水に強い神奈川」という全国に誇れる強みを県内外へ発信し、企業誘致や移住の促進に繋げていくことが本県の発展に寄与するものと考える。
そこで、どのような考え方でダムの水運用を行っているのか、また、今後、そのことをアピールするためにどのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

企業庁長 答弁

企業庁関係のご質問について、お答えします。

ダムの水運用の仕組みと、そのアピールについてお尋ねがありました。
本県には、相模川水系に相模ダム・城山ダム・宮ヶ瀬ダム、酒匂川水系に三保ダムの4つの大きなダムがありますが、ダムには水の貯まり易さにそれぞれ特性があります。
例えば、相模・城山両ダムは、水源となる上流域の面積が大きく、年に20回以上も水が入れ替わるほど水が貯まり易いダムです。一方、国の宮ヶ瀬ダムは、相模・城山両ダムを合わせたより約2倍の貯水量があるものの、上流域の面積が小さいため、年に1.3回程度しか水が入れ替わらず、水が貯まり難いダムと言えます。
企業庁では、これらの各ダムの特性を踏まえ、ダムとダムの連結や、相模川と酒匂川の水系間の連携により、きめ細かい水運用を行い、水道水を安定的に供給しています。
水運用にあたっては、まず、相模川水系について国と「総合運用」の方針を定めています。具体的には、宮ヶ瀬ダムにできるだけ多くの水を貯えることを一番の基本とし、その上で、相模・城山両ダムの水を優先的に利用し、両ダムの貯水量が一定量減少した際に、宮ヶ瀬ダムの水を利用するというものです。
この運用を行うために、相模・城山両ダムと宮ヶ瀬ダムを繋ぐ、「道志導水路」と「津久井導水路」という2つの巨大な地下トンネルを設けており、各ダムに貯める水の量と、ダム下流への放流量を24時間、絶えずコントロールしています。
さらに、相模川の3つのダムの貯水量が一定量まで減少した場合には、相模川の水利用を抑制し、代わりに、酒匂川の三保ダムを一層活用することとしています。これは、酒匂川下流の飯泉取水堰から川崎市内の浄水場までを繋ぐ長大な導水管を利用した水運用により実現するものです。
このようにして本県では、4つのダムの貯水量をコントロールして「渇水に強い神奈川」を実現しています。そして、この大規模で高度な仕組みは全国でも類がないものであり、本県の強みと言えるものです。  しかしながら、巨大な導水路や導水管は、地下に埋設され、人目に触れないこともあり、本県の水運用の仕組みを知っている人は、少ないと思われます。
「渇水に強い神奈川」がどのようにして実現されているのか、多くの人に知っていただくことは、神奈川の魅力アップに大いに貢献するものと考えます。
そこで、昨年、利根川水系が渇水になったような少雨時の中で、本県ではどのように渇水を回避したのか、実際のデータを用いて、水運用の効果を分かり易く整理し、企業庁ホームページなどを通じて新たに情報発信してまいります。
また、かなチャンTVでの放映や、企業庁の広報新聞である「さがみの水」での特集に取り組むとともに、「渇水に強い神奈川」を広く知ってもらうための新たなリーフレットを作成し、企業誘致や移住促進に取り組んでいる関係部局とも連携し、さらなるアピールに努めてまいります。
私からの答弁は、以上です。

新たな観光の核づくりについて

質問要旨

相模、城山、三保及び宮ヶ瀬の4つのダムは、県内の水道水の9割を供給し、県民生活や社会経済活動を支える水がめとなっている。
昨年、少雨のため関東1都5県で取水制限となる一方、本県では取水制限などの措置をとることなく乗り切れた。これは、高度なダム間の水運用によるところが大きいが、こうした優れた取組が県民や企業にあまり知られていない。多くの県民が、水の安定供給を受け、安心して暮らしていける「渇水に強い神奈川」という全国に誇れる強みを県内外へ発信し、企業誘致や移住の促進に繋げていくことが本県の発展に寄与するものと考える。
そこで、どのような考え方でダムの水運用を行っているのか、また、今後、そのことをアピールするためにどのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

黒岩知事 答弁

馬場議員のご質問に順次お答えします。

新たな観光の核づくりについて、お尋ねがありました。
横浜、鎌倉、箱根に次ぐ第4の観光の核の候補地として、城ヶ島・三崎、大山、大磯の3地域を認定し、平成26年度から観光施設等を整備するプロジェクトに対し、交付金を支出して支援してきました。
その結果、城ヶ島・三崎地域では、初心者でも気軽に釣りができる海上イケス釣堀や、三崎と城ヶ島島内を周遊できるレンタサイクルの駐輪場などが整備されました。
また、大山地域では、多言語で対応するインフォメーションセンターなどが整備され、大磯地域では、温水シャワー施設を兼ね備えたサイクルステーションなどが整備されました。
その結果、鉄道事業者と連携したキャンペーンなどの効果もあって、入込観光客数は、平成27年までの4年間で、城ヶ島・三崎地域は10%、大山地域は26%と大きく増加した一方、大磯地域は2%の増加にとどまっています。
こうした成果を検証するとともに、昨年11月に、プロジェクトの実現に向けて、今後、各地域でどういった事業を展開していくか提案していただき、効果的と認められる事業を、引き続き支援していくことにしました。
そして、平成29年度当初予算案に、「新たな観光の核づくり促進交付金」として、4,464万円を計上したところです。
主な事業としては、城ヶ島・三崎地域では、城ヶ島南部の雄大な景観を臨むことができる「城ヶ島南部ハイキングコースの整備」を支援する予定です。
また、大山地域では、スタンプラリーを楽しみながら観光スポットを周遊していただく、多言語対応のスマートフォンアプリの開発などを、大磯地域では、自然と共生するライフスタイルなどを発信する、フリーペーパーの作成を支援したいと考えています。
こうした支援を実施していくことにより、ラグビーワールドカップ2019や、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、観光の核づくりを加速してまいります。

足柄茶の消費拡大と緑茶を飲む文化の継承について

質問要旨

茶は県西地区を中心に栽培されており、足柄茶として「かながわブランド」に登録されるなど、本県の重要な農産物である。しかし、その消費量については、昭和50年と比べると6割近くまで落ち込んでおり、消費拡大の取組が重要である。消費量減少の原因の一つとして、近年の食生活をはじめとする生活様式の変化や、家族間の生活時間帯の相違などにより、急須を用いて緑茶を飲む機会が若年層を中心に減ってきたこともある。緑茶を出しておもてなしをするという日本の伝統文化が薄らいできているのは残念なことである。緑茶を飲むことに関する文化を若い世代に継承することも大切であると考える。
そこで、足柄茶の消費拡大と緑茶を飲む文化の継承について、どのように取り組んでいくのか、所見を伺いたい。

黒岩知事 答弁

足柄茶の消費拡大と緑茶を飲む文化の継承についてお尋ねがありました。
お茶は、カテキンなどの体に良い成分が豊富に含まれており、県産の重要な農産物である足柄茶を、より多くの県民の皆さんに飲んでいただきたいと思っています。
しかし、昨年12月に生産者の方とお会いした時には、急須でお茶を淹れると いう習慣が少なくなってきたこともあり、一人当たりのお茶の消費量が減って、足柄茶の販売に苦労しているという話をお聞きしています。
県では、足柄茶の消費が拡大されるよう、県庁の庁舎公開をはじめとした各種イベントで、県民の皆さんに、急須で美味しく淹れた足柄茶を味わっていただき、その味や香りの良さをピーアールしています。
また、生産者団体や関係市町村などで構成され、県が事務局を務める神奈川県茶業振興協議会では、茶葉を使った料理レシピの配布など、新たな需要を生み出すための活動に取り組み始めたところです。
次に、緑茶を飲む文化の継承についてですが、「おもてなし」として、お客様に緑茶を出し、飲んでもらうという習慣は、日本ならではの継承すべき文化だと思っています。
しかし、若い世代では、自分で緑茶を淹れて飲むよりも、ペットボトル等の緑茶を多く飲む傾向があります。
そのため、神奈川県茶業振興協議会では、緑茶を淹れて飲むという文化が継承されるよう、小・中学生や高校生に、美味しい淹れ方や、緑茶ができるまでの生産工程を知ってもらう食育活動を実施しています。
また、県としても、教育現場で緑茶を使った食育活動が進むよう、総合教育センターにおいて、小・中学校などの教職員の選択研修として、平成29年度から新たに茶の食育講座を設けることとしています。
今後も県は、生産者団体や関係市町村とも連携しながら、足柄茶が様々な世代 の県民に愛されるよう、その消費拡大や緑茶を飲む文化の継承に積極的に取り組んでまいります。

大規模災害時の避難所のトイレ対策について

質問要旨

大規模災害が起きるたびに、避難者対策が大きな課題となる。避難場所の確保のほか、物資の配給、避難者の健康など様々な問題があるなかで忘れられがちなのが、トイレの確保問題である。避難所では仮設のトイレを設置する場合があるが、食料や水などの救援物資の調達に比べて、トイレ対策は後手に回ってしまう傾向がある。避難者対策を担う市町村は、避難所などのトイレ対策を事前に十分に講じていく必要があるが、規模が小さい市町村などでは、職員の体制も十分ではなく、県としても日ごろからサポートしていくことが重要である。
そこで、いつ発生してもおかしくない大規模災害に備え、市町村と連携して、避難所のトイレ対策の充実を図る必要があると考えるが、県はどのように取り組むのか、所見を伺いたい。

黒岩知事 答弁

大規模災害時の避難所のトイレ対策について、お尋ねがありました。
災害時には、食料や水、毛布など、様々な生活物資の確保とともに、大勢の被災者が集まる避難所におけるトイレの確保は、衛生管理面での根幹となる重要な課題です。

そこで、県では、市町村と連携して避難所のトイレ対策に取り組んでいます。
県では、市町村の避難所運営の参考となるよう、「避難所マニュアル策定指針」を作成し、トイレ対策における女性への配慮や、使用の際のルールの徹底などを提示してきました。
また、昨年、国は、避難所におけるトイレの確保や管理に関するガイドラインを、新たに公表したところです。
ガイドラインでは、災害用トイレとして、イス型で持ち運び可能な「簡易トイレ」、建築現場などでも使用されている「仮設トイレ」、下水道に直結して使用する「マンホールトイレ」等が例示され、その活用方法が示されています。
そこで、県としては、国のガイドラインに盛り込まれた項目などを参考に、県の指針の充実を図り、避難所のトイレ対策を推進します。
また、県では、今年度創設した補助金により、市町村による災害用トイレの整備を促進しています。
今年度もすでに、3つの市町に対して、マンホールトイレや簡易トイレの整備を支援したところですが、引き続き、市町村と連携して整備に取り組みます。
しかし、災害時には、被災地だけではトイレの確保が難しくなることが想定されます。
そこで、県は、県内市町村や全国知事会などを通じ、広域的に災害用トイレを調達できるよう、仕組みを整えているところです。
県は、こうした取組を通じ、避難所のトイレ対策の充実に向けて、市町村を支援していきます。

県立相原高校の移転について

質問要旨

相原高校は、創立95年の歴史を誇る商業と農業を併置した伝統校であり、この歴史ある相原高校の移転については様々な想いがあったが、リニア中央新幹線整備に伴う将来の相模原市のまちづくりや県の発展のため、私が会長である同窓会としても、協力していくことでまとまっている。
相原高校には、生徒の学習活動のため、圃場や演習林、畜舎があり、家畜も多くいる。移転にあたって、こうした普通高校にない施設や教材をどのように整備するのか、関係者は関心を持っている。また、地域との連携を、新しい場所でどのように展開していくのかという課題もある。
そこで、相原高校の歴史と伝統を引き継ぎ、新たな地で相原高校をスタートするにあたり、移転に伴う課題にどのように取り組み、どのような学校を目指していくのか、決意を伺いたい。

教育長 答弁

県立相原高校の移転についてです。
相原高校は、大正12年に開校以来、同窓会や地域の皆さんに支えられ、本県農業、商業の発展を担う有為な人材を数多く輩出してきました。
県教育委員会では、こうした相原高校の伝統を移転後もしっかりと引き継ぎ、これからの時代に対応できる人材を育成するための教育環境を整備してまいりたいと考えております。
特に、農業科の授業に欠くことのできない圃場については、野菜などを育成するための土の質を確保することが大変重要です。また、測量や樹木の剪定などの実習の場となる演習林についても、移転に併せて整備する必要があります。
そこで、県教育委員会では、現在、新たな圃場にふさわしい土壌や、演習林の樹木一本一本が移植できるかどうかについて、専門家も交え、詳細な検討を進めています。
また、農業科の生産活動から商業科の販売活動まで一貫した学習の充実を図り、併せて、相原高校と地域との交流を、さらに促進していくため、生徒が生産した農産物や食品の直売所などの新たな施設も整備したいと考えております。
今定例会においても、相原高校新築工事に係る契約締結に関する議案を提出したところであり、平成31年度移転、開校に向けて、しっかりと準備を進めてまいります。
そして、歴史と伝統ある相原高校が移転後も、今まで以上に、生徒や同窓会の皆さんが母校としての誇りを持ち、また地域の皆さんにも愛される学校となるよう、県教育委員会として全力で取り組んでまいります。

要 望

馬場議員 要望

ダムの水運用の仕組みとそのアピールについてでありますが、関東の1都5県で取水制限が行われるようなときに、なぜ神奈川は大丈夫なのか、不思議に思われていた県民もいたかと思います。
先達者が早くから水源開発に努め、また、水源環境保全・再生の取組を行ってきたということもありますが、それぞれのダムの特徴を生かして合理的な水運用によって本県の水道水の安全供給が行われていることが、よくわかったと思います。
今後、こうした取り組みを、本県の強みの一つとして、しっかりと県内外にアピールしていただくことが、水源地域の活性化にもつながっていくものと思いますので、しっかりと取り組んでいただくよう、要望します。

続いて、新たな観光の核づくりについてです。
率直に申し上げて、横浜・鎌倉、箱根に次ぐ新たな観光の核を本当に作ることができるのか、危ぶむ声があるのもまた事実です。しかし、全員が諸手を挙げて賛成するような政策であれば、既に誰かが実行しているはずです。
知事におかれましては、来たるべき千載一遇のチャンスを活かすことができるように、スピード感を持って、更に取組を前進させるよう要望いたします。

次に足柄茶の消費拡大と緑茶を飲む文化の継承についてでありますが、平成25年12月に、和食、日本人の伝統的な食文化がユネスコの無形文化財に登録されました。私は和食に合うのは何といっても緑茶だと思うのであります。
新たな観光の核作りについての質問でも触れましたが、今後、ラグビーワールドカップ2019、東京オリンピック2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、日本を訪れる外国人の観光客の方々が多くなっているところであります。緑茶を和食とセットにしてアピールする好機であります。
また、緑茶にはカテキンをはじめとして健康的な効果がある成分がいろいろと含まれておりますので、知事が人生100歳時代を見据えて推進されている未病改善の取組にもふさわしいものであると考えております。
足柄茶の消費拡大につながり、また、おもてなしの心の醸成にも寄与する緑茶に関する文化の継承に、県としても生産者団体や関係市町村と連携しながら積極的に取り組んでいただくよう要望いたします。

そして、大規模災害時の避難所のトイレ対策についてでありますが、避難所のトイレ問題は、災害関連死の原因ともなりうる大変重要な事柄であります。このように、「いのち」を守ることに直結する問題について、住んでいる市町村の規模によっては、格差が生まれるようなことがあってはなりません。特に、規模が小さい市町村においても、避難所のトイレ対策の充実が図れるよう、しっかりと取り組んでいただきますよう、要望いたします。

県立相原高校の移転まであと2年となる中、ただ今、教育長から新たな学校づくりに向けて、力強い決意をいただきました。
相原高校は、橋本駅近くの好立地もあってか、これまでに3度の移転の話がございました。同窓会としては、その都度、ことごとく反対をしてまいりました。
しかし、今回については、相模原市が政令都市となったこと、またリニア中央新幹線の整備ということもふまえ、将来の発展、繁栄のためにということで、協力する方向で動いております。
また、在校生にあっては、移転を見据えて、何年にもわたり、プレハブの校舎で過ごすことを余儀なくされておりまして、夏の暑さや冬の寒さをしのぐため空調を入れるなどご配慮いただいたことは、承知しておりますが、在校生の方々にも苦労をかけてきたことも事実であります。こうした卒業生や在校生の思いもぜひ、おくみとりいただき、よかったと思っていただけるような学校づくりをお願いいたします。

そして様々な教育環境を整備することについては、課題も多いかと思いますが、将来の相模原市や神奈川県の発展に寄与する人材を育成するため、しっかりと対応していただくよう、改めて要望いたします。